山岳保険 で 登山 の 遭難事故 に備えよう
ポイントをまとめると
- 山岳保険 とは、遭難時の 救助費用 を補填してくれる 保険
- 年に4回 は山に登る なら『 定額タイプ の ハイキング保険 』
- 一泊二日の登山 なら掛け捨ての『 短期タイプ 』が オススメ
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※この記事に書かれているのは、2018/04 の情報になります。
登山 は危険と隣合わせ。遭難 はあっけなく起こる
山登りで一番怖いのが、遭難事故ですよね。
高尾山でも、2015年には約90件の遭難事故が発生しているのをご存じですか?
事故はあっけなく起こります。道に迷い位置がわからなくなったり、足を挫いて下山 できなくなれば、その時点で遭難になります。
登山 で 遭難 した 場合の 費用 はどれくらい?
警察が捜索した場合は 費用がかかりません。
ですが、山での捜索は技術が必要になるため、民間の遭難対策隊の協力を仰ぐ事が多いです。
民間の山岳救助ヘリを要請した場合 100万 ~ 200万 円、ときには 1,000万円 もかかる場合があります。
1万円 の装備をケチって、崖から落ちて救助に1,000万 かかった……なんて笑い話にもなりませんよね。
登山 の 遭難 に備える『 山岳保険 』をご存じですか?
そんな時に入っておきたいのが『山岳保険』です。
山岳保険 は、救助費用を補償 してくれるありがたい 保険 です。
取り扱っているのは、以下の 保険代理店 と 運営団体 になります。
モンベル | 野外活動保険・山岳保険 |
やまきふ共済会 | 山岳保険制度 |
日本山岳協会 | 山岳共済会(山岳遭難保険) |
日本山岳救助機構 | カバレージ(費用分担)制度 |
木村総合保険事務所 | 山岳保険、ハイキング保険 |
日本費用補償少額短期保険 | 捜索・救助費用保険 |
モンベル でお買い物のついでに山岳保険 を申し込んでおくと、手間もかからず便利 です。
山岳保険も登山道具 の一種と考えて、忘れずに申し込みましょう。
山岳保険 には 長期補償 と 短期補償 がある
山岳保険 は、年間で定額を払うタイプ と、登山のたびに払う短期タイプ があります。
長期補償 年間定額 3,000円~
短期補償 一泊二日 250円~
これから本格的に 登山 を始める人や、年に4回は山に登る なら『 定額タイプ 』を。
試しに1回だけ、富士登山の時だけ必要なら『 短期タイプ 』をオススメします。
コーヒー1杯分の保険料 で、あなたの 登山人生 をお守りします。
定額長期 タイプ の 山岳保険 には種類がある
年間で保険料を払う 定額タイプ の場合、岩登りや雪山登山 など広い範囲で補償してくれる『山岳保険』と、軽登山のみを対象にした『ハイキング保険』があります。
補償内容 と 保険料 も違うので、申し込みの際に検討しましょう。
初心者の方で 定額タイプを申し込む際は、登山のみを対象にした保険で十分だと思います。
ワンポイントアドバイス
「年に数えるほどしか登らないんだから 定額保険 にする必要はない」と思われるかもしれませんが、短期は保険料が安くても 振込手数料が都度かかります。ですから、年に4回以上登る場合は年間定額保険に申し込んだ方が安く済みます。
山岳保険 を 比較 してみたよ
モンベル 山岳 保険
長期補償
死亡・後遺障害、に対して保険金が支払われます。個人賠償責任(他人に怪我をさせた場合の賠償)も補償してくれます。
救助費補償 500万。
傷害医療費用(治療費) 補償(50万円まで)付きは 年/4,470円~
入院・通院費 補償付き は、追加料金が必要になります。年/9,800円~
(※24時間プランは、山で働いている人向けです)
(※山岳保険の場合、治療費 年15,520/入通院 年25,160)
短期補償
野遊び保険(初心者中級者向け) 1泊2日、3泊4日:250円~
死亡・後遺障害、入院、手術費 に対しても保険金が支払われます。
個人賠償責任(他人に怪我をさせた場合の賠償)も補償してくれます。
救助費補償 300万。通院費、携帯品 は、補償されません。(入院はOK)
山行保険(冬山に登る上級者向け) 1泊2日、3泊4日:1,000円~
死亡・後遺障害、に対して保険金が支払われます。個人賠償責任(他人に怪我をさせた場合の賠償)も補償してくれます。
救助費補償 300万。入院&手術費&携帯品 補償 は、追加料金が必要になります。(+1,000円)
通院は、補償されません。
やまきふ共済会 山岳保険制度
長期補償
救助費補償 500万。死亡補償 1万円。救助費補償のためだけの保険ですね。
死亡補償 50万円。後遺障害、入院、通院、損害賠償の補償まで含める場合、7,500円に。
エキスパートは 冬山も対象になります。救助費補償 500万。死亡補償 50万円。
※ やまきふ の年会費の一部は寄付金として、山の設備費や救助隊への援助に役立てられています。
ワンタイム(短期補償)
日帰り: 660円 / 1泊2日:990円 / 3泊4日:1,600円
死亡・後遺傷害、入院、通院、損害賠償 に対しても保険金が支払われます。救助費補償 100万
ふじさん共済(富士山専用山岳保険制度)1泊2日 660円
日本初の富士登山者限定のお得な山岳保険制度(日帰りの値段で、一泊二日の内容)
死亡・後遺障害、入院、通院、損害賠償 に対しても保険金が支払われます。救助費補償 100万
日本山岳救助機構 カバレージ(費用分担)制度
初年度は入会金2,000円 + 年会費2,000円の合計4,000円
会員が費用を分散して負担することで、限度額330万円まで費用を補償してくれます。
特典として、入会すると遭難を防ぐための講演会や講習会に参加できます。家族割や団体割もあるので、グループで長期入会するとお得です。
保険ではないので、保険業法や保険契約者保護機構は適用されません。また、入院費、通院費、死亡・後遺症、個人賠償責任 も補償されません。
やまきふの一般会員コースと似ていますね。あちらは年/4,000円で500万補償ですが、こちらは2年目以降2,000円になって、330万まで補償してくれます。
日本費用補償少額短期保険 捜索・救助費用保険
年間保険料4,000円
あらゆる山岳活動、アウトドア活動の捜索・救助費用を補償してくれます。死亡、入院・通院、損害賠償等に対する補償はありません。
こちらも救助費のみを補償してくれる保険。補償費は300万円です。
特徴は、冬山や登攀も条件に入っていること。
日本山岳協会 山岳共済会(山岳遭難保険)
年会費 1,000円 +
ハイキングコース(初心者中級者向け) 年/2,400円~
死亡・後遺傷害、入院 に対しても保険金が支払われます。個人賠償責任(他人に怪我をさせた場合の賠償)も補償してくれます。
救助費補償 500万。通院費の補償 は、追加料金が必要になります。(年/6,400円~)
※ 6,400円コースだと、他の補償もグレードアップします
登山コース(冬山に登る上級者向け) 年/4,310円~
死亡・後遺傷害、に対して保険金が支払われます。個人賠償責任(他人に怪我をさせた場合の賠償)も補償してくれます。
救助費補償は 300万円。
入院、通院費 を補償する代わりに、救助費補償を100万 に落とせば、年/6,900円~
救助費補償300万のコースで 全部込みだと 年/17,310円 に。
補償内容の目的別に、コースを選べます。
木村総合保険事務所 山岳保険、ハイキング保険
登山・ハイキング保険 年/2,810円~
死亡 200万円 / 救助費 補償は 500万円
傷害医療費(入院・通院などの治療費)の補償を含めると、年/4,820円~
個人賠償責任 補償は、追加料金が必要となります。(+920円)
林業や山小屋で働く人も入れます。3年以上継続契約するとお得です。傷害医療費はいらない。安くしたい、という場合はこちらを選ぶのもあり。
アウトレジャーの保険(1年更新) 年/4,820円~
死亡 200万円 / 救助費 補償は 500万円
予め、傷害医療費(入院・通院などの治療費)の補償がされています。
個人賠償責任 補償は、追加料金が必要となります。(+920円)
こちらは、レジャー客向けのプラン。オプションが豊富で、携帯品を紛失した際の補償をプラスできたりします。
1年更新のみです。登山をいつ辞めるかわからない場合は、こちらのプランでもOK。
山岳登山総合保険(冬山に登る上級者向け) 年/5,560円~
死亡 200万円 / 救助費 補償は 500万円
傷害医療費(入院・通院などの治療費)の補償を含めると、年/11,530円~
個人賠償責任 補償は、追加料金が必要となります。(+920円)
救助費 のみ 補償するなら?
傷害保険なら他のところで入っている。救助費用だけ補償してほしい場合は……
やまきふ救済会 一般会員コース 年/4,000 円 補償額500万
日本費用補償少額短期保険 年/4,000円 補償額300万 冬山も対応
日本山岳救助機構 年/2,000+入会費2,000円 補償額330万 2年目から年会費のみ。各種割引あり
補償額で考えるなら、やまきふ。
年会費で考えるなら、日本山岳救助機構 でしょうね。
(初心者は冬山を避けるべきなので、日本費用補償少額短期保険の内容は持て余します)
短期補償 の オススメは 『モンベル 野遊び保険』
短期補償は『モンベルの野遊び保険』が、1泊2日 250円 で 怪我による入院費 日/3,500円。290万円の死亡・後遺障害補償。300万円の救助費用も補償してくれるので、申し分ありません。
(500円コースにすると、 死亡補償500万、入院費が 日/7,500円 +携帯品補償になります)
やまきふのワンタイム(と、ふじさん共済) は、死亡・後遺障害補償が50万で、救助費も100万円までと頼りない印象です。
長期補償 の オススメ は?
ハイキングが目的で、入院、通院、賠償、携帯補償 も含めた条件で比べてみます。
モンベル 野外活動保険 年/9,800円~ 救助費 500万 /死亡補償200万・携行品を10万まで補償
木村総合保険 アウトレジャーの保険 年/8,040円 救助費 500万 /死亡補償200万/携帯品20万補償
やまきふ共済会 プラス 年/7,500円 救助費 500万 /死亡補償50万/携帯品補償なし
日本山岳協会 ハイキングコース 年/7,400円 救助費 500万 /死亡補償440万/携帯品補償なし
携帯品補償もつけるなら、木村総合保険、死亡補償で考えるなら、日本山岳協会 がトータルでバランスがよいですね。
木村総合保険事務所の特徴は、賠償補償、携行品損害補償 を外せること。(※モンベルは、入院費補償と携帯品補償がセットのプランしかない)
安くしようとしたら、ウトレジャーの保険 年/4,820円
- 救援者費用 500万円
死亡 200万円
傷害医療費 100万円限度で補償 になります。
医療費は補償されるものの、入院、通院費の区分がないので入会時に確認が必要です。
日本山岳協会の場合は、安くしようとすると
ハイキングコース(初心者中級者向け) 年/2,400円
+ 年会費 1,000円 = 合計3,400円
- 救援者費用 500万円
死亡・後遺障害 240万円
入院保険金日額 1,500円
通院保険金日額 なし
個人賠償 1億 - 手術費は、入院中なら入院保険金の10倍、それ以外なら5倍支払われます。
になります。
通院と携帯品補償はしませんが、入院費補償が明記されてます。このお値段で個人賠償補償が、セットでついているのもうれしい。
保険会社や内容によって、入院費の補償額が変わったり、特約が付いたりします。一長一短なので、登る山のレベルや、払われる保険料によって決めてください。
個人的には、傷害医療費がついてお安めな木村総合保険事務所のアウトレジャー保険 がオススメ。
携帯品補償をつけても、モンベルより安いので、無難なところではないでしょうか。
まとめ
年に4回登るなら『定額 の ハイキング保険』。一泊二日,富士登山ならモンベルの『短期タイプ』山岳保険で、もしもに備えましょう。
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